「襷の色が白じゃない、自分たちの襷だとわかって、本当にホッとしました」。ゴール地点、エース山内滉士郎君(3年)は満面の笑みでアンカーを迎えた。
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念願の初出場を果たした旭丘は、出場資格ギリギリの7人でレースに臨んだ。「5位以内でなければ、勝負できない」。スタートと同時に最後尾から一気に先頭集団に飛び込んだ山内君だったが、終盤失速し12位で2区につないだ。10Kmという長距離もロードも、レースで走るのは初。「正直、力不足。走る筋力が足りていなかった」。想定を下回る滑り出しに「まずいかも」と、一瞬繰り上げスタートが脳裏をかすめた。
だが、エースの走りに後続が応えた。同じ3年生の松田魁士君が3区8Kmを区間29位と奮闘。1、2年生も必死に食らいつき、2時間29分54秒の42位で、エンジ色の襷を無事7区間つなぎきった。
主将として、レース前「初めてだし、来年出られるかもわからない。楽しむことを忘れないで走ろう」と呼びかけた山内君。「順位以上に、皆で走り切れたことがうれしい」。1本をつなぐ、駅伝でしか味わえない喜びが、旭丘の新たなページに加わった。