県の自然環境保全センター(厚木市七沢)がこのほど、2018年春のスギ花粉飛散量の予測を発表した。今春は「飛散量が少なかった17年春に比べて5倍程度増加、例年の2倍程度になる」という。
飛散量の予測は、県内30カ所のスギ林で昨年11月に実施した調査結果をもとに、毎年12月下旬に発表されている。
調査対象のスギ林は県北部(相模原市緑区)や県央部(厚木市、愛川町、清川村)、県北西部(秦野市、松田町、山北町)、県西部(小田原市、南足柄市、山北町)の4地区に区分されている。各地のスギ林で40本を抽出し、1本ごとの着花状況を点数化、その平均値を着花点数としている。
今回の調査結果は平均値が過去5年間で最も多い67・2点。昨年の37・7点と過去20年間の平均43・0点を大きく上回った。
スギ花粉を飛ばす雄花の着花は夏の気象状況と関係が深い。猛暑だと着花が増えるため、昨年7月に続いた猛暑が影響していると考えられる。
地域別の平均着花点数の最多は県西部の74・8点。県北西部と県央部が66・1点、県北部が58・8点だった。
県の担当者は「全体として雄花が多く着花している。県北部でも日当たりのよい林では多く着花しているため、地域的な差はない」と話している。
花粉症を引き起こす植物はスギのほかにヒノキ、ケヤキ、ブタクサ、ヨモギなどもある。スギ花粉は2月から5月に飛散すると言われている。