地場産業の魅力を発信する街かど博物館の21館目に、市内本町のかまぼこ店「鱗吉(うろこき)」が認定され、1月22日にお披露目された。
店舗で行われたセレモニーでは、8代目店主・田代守孝さん(42)に対し、街かど博物館館長連絡協議会の露木清勝会長から看板が手渡され、認定委員会の早瀬幸弘委員長からはのぼり旗が贈呈された。2年ぶりに博物館の新規認定を受けた鱗吉の田代さんは、「身がひきしまる思い。お客様との接点を増やし、時間を共有したい」と話した。
小田原で古くから栄えた産業文化を今に伝えようと、1998年にスタートした街かど博物館事業。「丸う田代」や「鈴廣」といったかまぼこ店のほかに、和菓子、ひもの店などが博物館に認定され、展示や体験を通じてなりわいを発信している。『かまぼこ歴史館』と名づけられた鱗吉の博物館は、店舗に併設するスペースを使用。商品製造の風景、周辺でかつて盛んだったブリ漁、松原神社の例大祭など地域の今昔を伝える写真約40枚を展示し、昔のかまぼこづくりで使用された木型や付け包丁も飾られている。また、店内ではさつま揚げの手作り体験(事前予約制)も可能だ。
店、街の魅力発信
博物館に名乗りをあげた田代さんは、店舗前に続くかまぼこ通りの活性化にも力を注ぐ。今回、博物館となった空間は、元々駐車場だったところを「人が集う”たまり”」(田代さん)へ3年前に改築したばかり。「これからもお店の魅力、街の魅力を伝えていきたい」と言葉に力を込めた。
同館の問い合わせは【電話】0465・22・1315へ。