小田原駅東口お城通り地区再開発事業の工事現場で2月3日、発掘調査見学会が行われた。500人以上が来場し、遺構や出土品を見学した。
市では2016年から同所の発掘調査を行っており、今回は日向(ひゅうが)屋敷跡第I地点の調査結果を公開した。日向屋敷は江戸時代の武家屋敷で、小田原城主大久保忠(ただ)隣(ちか)が改易となり、夫人・日向御前が閉居した屋敷があったという伝承に由来する。
会場では、江戸時代よりもさらに下層の戦国時代の建物遺構や井戸、幅6mほどの大溝などが公開され、来場者は係員の説明を聞きながら熱心にメモを取っていた。井戸から9枚発見された中国景徳鎮(けいとくちん)産の白磁菊皿や、金蒔絵が施された櫛などの出土品も展示され、熱心にカメラを向ける人の姿も見られた。
母親の石川美佐子さん(45・寿町)と来場した兄弟の悟宇(ごう)君(11)、太威(だい)君(11)、歩君(9)は、「土に埋まっていた昔の木が残っているところが面白い」「戦国時代の土を踏めてうれしい」などとそろって目を輝かせていた。