神奈川県とかながわ地球環境保全推進会議が主催する「かながわ地球環境賞」の受賞者(16団体・1個人)が1月30日に発表され、小田原市から合同会社小田原かなごてファーム(市内成田)が受賞した。
同賞は、地球環境保全に向け優れた取り組みを行った団体や個人に贈られる。かなごてファームは、再生可能エネルギー導入等の優れた取り組みが対象の「かながわスマートエネルギー計画部門」での受賞だ。
同社は2014年に設立。「かなごて」とは神奈川口御殿場線沿線の略で、周辺の曽我地域に増えつつあった耕作放棄地や放棄地になりかかっている農地の活用に取り組んでいる。
ソーラーシェアリングは、農業と太陽光発電を同時に行うもの。一定の高さに太陽光発電パネルを設置することで農地を覆い隠さずに作物が栽培でき、「売電」「農業」の2本柱で農家の収益向上を図る。
同社では2016年に市内曽我岸の約320平方メートルの農地に太陽光発電パネル56枚を設置し、その下でサツマイモを栽培している。賞では「耕作放棄地の解消と地域主導の再生可能エネルギーの導入を実現した」と評価された。収穫したサツマイモは和菓子店・風月堂(曽我谷津)と連携して芋ようかんにして販売もした。
また、国内外からの視察を多く受け入れ、地域住民とのワークショップも開催するなどソーラーシェアリングの普及啓発に積極的に取り組んでいる。
同社業務執行社員で農業を営む川久保和美さん(63)は、地元曽我地域の農業衰退を危惧していた。「何とか農地を再生したいと思っている。この取り組みが地域の農業活性化の一助になれば」と話した。
同じく小山田大和さん(38)は、「やっとここまで来た」と感慨深げ。当初は、企業などの大型資本でない市民活動としての事業が軌道に乗るか半信半疑の声も少なくなかったという。「少しずつ共感してくれる人が増えた。受賞は応援してくれた皆さんのおかげ」と感謝を述べる。
3月には同社として2カ所目、県下最大級のソーラーシェアリングが市内桑原に竣工予定で、米栽培との組み合わせは県内初の試みだという。中井町と南足柄市の農地での設置計画も進行中だ。
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