射撃日本代表としてパラリンピック3大会(アテネ・北京・ロンドン)に出場した田口亜希さん(46)が2月19日、城北中学校で講演し、卒業を控えた3年生に自らの体験を語った。
田口さんは、客船「飛鳥」のパーサーとして勤務していた25歳の時に、脊髄の病気により両下肢麻痺となった。リハビリ中に出会った友人の勧めで射撃を知り、本格的に競技に取り組んでからは国内外の大会で活躍。試合で上手くいかないときも「今、やれることを最大限にやろう。力を出し切れたと思えれば達成感が有る」と前向きに臨んでいたという。一方で、今でも歩きたい、走りたいと思うことが有ると率直な心情も明かしながら、「目の前のできることからチャレンジしようと思う」と思いを述べた。
現在は企業に勤めながら、(一社)日本パラリンピアンズ協会の理事も務める田口さん。自動車も運転しており、講演では、自身の経験を踏まえながら障害者用駐車場や障害者用トイレの利用マナー、身の回りにいる障害者との接し方なども説明した。
生徒から「障害がある人を具体的にどういう風に助ければ良いか分からない」との質問には、「何かお手伝いしましょうか?と声をかけて『結構です』と言われたら、それはそれで良い。とにかく声をかけて欲しい」と笑顔で答えた。