市は5月28日、災害が発生した際に市内のごみ処理施設が機能しなくなることを想定し、廃棄物処理事業を展開する大栄環境ホールディングス(株)(兵庫県神戸市)と災害協定を締結した。同社はこれまでに20自治体と災害協定を締結しており、今回で21自治体目。関東圏における災害協定の締結は小田原市が初めて。
同社は全国に23カ所のリサイクル拠点があり、国内最大規模の焼却能力を保有。協定により、市の一般廃棄物の受け入れ先となった三重総合リサイクルセンター(三重県伊賀市)は、1995年の阪神・淡路大震災以降、520万トン以上の災害廃棄物処理実績がある。
同社のグループ会社・三重中央開発(株)は、2005年から市の廃棄物処理業務を請け負っており、市が災害時の廃棄物処理を課題としていたことを受け、協定を提案した。
今回の協定には、災害があった場合交通網が遮断される可能性があることから、海路による廃棄物の運搬を行うことを明記。横浜や東京などの港に同社所有の大型コンテナ船で処理施設に運搬する。同社の大仲一正営業担当取締役は「海上運搬は広域に運べる手段として活用できる」と話した。
市役所庁議室で協定書を交わした加藤憲一市長は、「有事の際はごみが処理しきれない。今回の協定は心強い」と話した。
小田原市の災害廃棄物処理に関する協定は、一昨年2月に結んだオリックス資源循環(株)(埼玉県寄居町)に続き2例目。