「風魔忍者」の観光拠点が誕生する見通しだ。小田原城址公園内の「歴史見聞館」が耐震改修工事とともに展示が全面的に見直され、風魔忍者をメインコンテンツとする内容にリニューアルされる。
小田原市は6月4日、歴史見聞館の展示物等設計製作設置業務に係るプロポーザル審査で、優先交渉権者に(株)乃村工藝社(東京都港区)を選定したと発表した。同社は、小田原城天守閣改修工事(2015年)にともなう展示の全面リニューアルの際も、制作業務等を手掛けている。
歴史見聞館は1998年に開設。現在は戦国大名北条氏や江戸時代の宿場町、小田原の観光名所などをテーマにした展示や設備があり、昨年度は約11万5千人が入場している(有料入場者)。
プロポーザル方式は、事前に条件を示し、提案された企画の中から優れたものを選定する。市は今回の事業に、「風魔忍者をモチーフとし、忍者の存在が学べ、新鮮な体験・体感ができる展示をメインのコンテンツとすること」という項目を盛り込んだ。市では、同社と6月中にも契約を交わしたい考え。8月に耐震改修工事に入り、リニューアルオープンは来年4月を予定している。
風魔忍者をテーマに誘客に取り組んでいるのが、市観光協会だ。8月下旬開催の風魔まつりに加え、今年2月には忍者の日キャンペーンとして修行体験イベントを実施するなど、子どもや外国人にも人気も高い「忍者」の活用に知恵を絞っている。
観光協会副会長の外郎藤右衛門さんは、歴史見聞館改修に「北条五代に仕えた忍者を題材とした歴史感とエンターテイメント性を兼ね備えた施設は、新たな観光拠点の一つとなります。この施設を活用して常時誘客、市内回遊性の向上につなげたい」と話している。
風魔忍者は、初代早雲から約100年関八州を治めた北条氏に仕えた一党。頭領は代々「風魔小太郎」を名乗り小説やゲームのモチーフにもなっている。
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