東日本大震災以降、福島県の相双地域の支援活動を続けている「小田原のこころを届けるプロジェクト」のメンバーが、6月23日と24日に南相馬市小高区を訪れた。
震災直後から、現地の要望に応えて毛糸やミカンなどを届けてきた同プロジェクト。今回は、かつて盛んだった養蚕業の復活に取組むNPO法人浮船の里で、4000頭の蚕の世話を手伝った。
養蚕は、桑刈りや蚕部屋の掃除をはじめ力仕事が多く、人手を必要とする。浮船の里では、理事長の久米静香さん(65)と島抜里美さん(37)の2人ですべての作業を行うため、蚕を迎える時期になると状況を知る”助っ人”が、県外から手伝いに訪れる。
同プロジェクトの今野正徳さん(63)、佐藤宏子さん(60)、北村千波さん(45)は、懸命に桑を食む蚕に目を細めつつ、久米さんの指導のもと立ち働いた。5年前に初めて訪れた小高の景色を「灰色の絵の具で塗りつぶしたキャンバスのようだった」と振り返る北村さん。「徐々に増える色彩をうれしく感じる一方、未だに所々に目立つ灰色の世界に胸が痛む。笑顔あふれる穏やかな生活を願います」と話した。