小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開:2018年6月30日
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ハンドルのかわりに手拭を握り、披露したのは「浮世床」。伊豆箱根バスの山田見弦さん(63)は、「気楽亭小生」として市内外の落語イベントに出演している。
山田さんは東京出身。中学時代にラジオで先代三遊亭円楽の落語のファンになり、自分で落語のクラブを立ち上げるほどのめりこんだ。
20年以上観光バスを運転し、遠くは九州まで足を伸ばした。定年後も運転手として所属し、今は小田原市内のほか、箱根関所や大涌谷などの路線も回っている。
趣味の落語のネタは台本を書き写しながら覚え、今では10〜20席ほどを上演できるまでになった。「噺を聞いてクスっとしてもらえたら。仕事の役には立たないけどね」。語り慣れている分、車内のアナウンスもどこか軽やかだ。