7月13日に東京ドームで開幕した「第89回都市対抗野球大会」。日本新薬(京都市代表)のマスコットを務めるのは同社小田原総合製剤工場に勤務する杉村理恵さん(20)だ。
社名が記されたプラカードを持ち、開会式では選手たちを先導。18日(水)の初戦から全試合でベンチ入りする。選手と同じユニフォームを身にまとい、ホームランが出た際には選手を出迎えるなど監督、選手、スタッフと共に戦い、チームに花を添える存在となる。
大会に出場が決まる度、社内で希望者も出ることもあるという大役が杉村さんに決まったのは6月中旬。朝、配属部署の部長に呼ばれ「何かしてしまったのか」と心当たりを探すも「ない」。部屋に入ると、マスコットの依頼があることを伝達された。「びっくりしすぎて言葉にならなかった」と最初は戸惑ったが、「なかなかこのような機会は得られないので、頑張ります」と即答した。
ユニフォームの背番号は自身で選択でき、「一生の記念になるように」と開催回数の「89」を選んだ。硬式野球部元監督で、現在は同工場総務課長の田村秀生さん(48)は「東京ドームの雰囲気、あとはなんといっても試合の熱気をベンチサイドで感じ取ってきてほしい」と自身の経験も踏まえてエールを送る。小田原工場からもバス10台で応援に駆け付ける。杉村さんは初戦の新日鐵住金鹿島戦(18日・午前10時30分開始)を前に「あの場所に自分も行けると思うと夢のよう。試合前にいろいろ勉強してイメージを膨らませたい」。日本新薬に勝ちを呼び込むには「勝利の女神」の力が不可欠だ。