日本国内の自殺者数は減少傾向にあるものの、その数は年間2万人を超える。国をあげて対策に取り組むなか、小田原市でも8月末に有識者による検討委員会が発足。「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」に向けて、今年度末までに対策計画をまとめる。
日本の自殺者数はバブル崩壊後の1998年に急増。前年から1万人近く増え、3万2863人に上った。以降も3万人台が続くなか、国は2006年に自殺対策基本法を施行。自殺防止対策に取り組む民間団体の支援など積極的な対策が実を結び、17年には2万1321人に減少した。
国はさらなる改善に向け、各都道府県や市町村に対して地域の実情に応じた対策の検討を指示。小田原市は医師や学校長、市民ら16人で構成する自殺対策計画策定検討委員会を設置し、8月21日に第1回会議を開催した。22年度までに自殺死亡率(人口10万人に対する自殺者数)を12%以上減少させることを目標に、対策計画を策定する方針だ。
健康問題が最多
厚生労働省の人口動態統計調査によると、市内における自殺者数は近年緩やかに減少している=表1。だが、自殺死亡率は11年以降国や県の数値を上回っており、16年は県内19市中で5番目に高かった=表2。
特徴は15〜34歳の死因トップが自殺など、若年層に目立つこと。一方、60代以上の高齢者層についても県を上回る。その背景は明確ではないが、判明している自殺の理由では健康問題が最も多い。こうした状況を受け、子どもや若者、高齢者の対策が計画策定の重点施策に据えられている。
相談会を開催
自殺対策の関連事業として、市は9月23日(日)に
市保健センターで「こころとくらしの相談会」を開催する。「生きることを支えるのが自殺対策のひとつ」として、社会福祉士や精神科医らがこころの病や生活苦などについて相談に応じる。午前9時30分から午後0時半。
また、うつ専門カウンセラー・精神保健福祉士の澤登和夫さんが講師を務める自殺対策講演会も、同所で午後2時から4時まで開催。いずれも無料、直接会場へ(公共交通機関を利用のこと)。
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