江戸時代後期に独自の仕法で荒廃した農村を復興させた郷土の偉人・二宮金次郎(尊徳)の生涯を描く映画「二宮金次郎」。その試写会が市民会館で10月13日、全国報徳サミット小田原市大会の後に行われた。全編のストーリーが公開されるのは初。
報徳サミットは、金次郎ゆかりの全国17市町村による全国報徳研究市町村協議会の関係者が集うもので、小田原での開催は12年振り。同作品でメガホンをとった五十嵐匠監督は、企画を立ち上げた5年前から今大会での試写会上映を目指していたという。
これまで監督みずから、製作資金や撮影協力を得るために多くの企業や市町村を訪問。市内では今年「市民応援団おだわら」が発足、製作と興行を支援するための寄付を募った。「積小為大」――金次郎の教えのように製作側、市民や企業、行政などそれぞれの思いが集まって迎えた試写会だ。
上映前には五十嵐監督と金次郎役を演じた合田雅吏さん、榎木孝明さん、田中美里さん、柳沢慎吾さんら主要キャストが登壇した。合田さんは「100年残る映画にしようと全身全霊をかけた。ぜひ多くの人に見てもらいたい」とあいさつ。五十嵐監督は関係者や市民の応援に感謝を伝えてから「今回は(企画立ち上げから完成まで)5年かかったが、作り手の中でも醸成した」と振り返った。また、「青年期の金次郎さんがやったことは非常に広くて深いもの。そのほんの少しでも映画に投影されて、皆さんが知るきっかけになれば」と述べ、全国公開に向けて小田原から大きい火をつけて欲しいと呼び掛けた。
いざ上映が始まると来場者は、幾多の困難に会いながらも農村復興に懸命に取り組む金次郎の生きざまに見入り、エンドロールには映画を応援した地元企業やサポーターの名前も映し出された。
上映会後、市内の小学5年生の男子は「何となくしか知らないことがいっぱいあった。凄かった」と笑顔で感想を話した。
小田原での完成披露上映会は、全国公開に先駆け来年1月6日、市民会館大ホールで予定されている。
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