酒匂小学校では、訪問者へのおみやげとして銀杏をプレゼントするユニークな活動を行っている。
同小の校庭には2本のイチョウがそびえ立ち、9月下旬頃から色づいた銀杏が落ち始める。特有の強い匂いを放つだけでなく、触るとかぶれることもあるため用務員がその都度処分していたが、巨木とあってその量は膨大。他の業務もあるなかで、約2カ月間続く清掃作業は大きな負担となっていた。
しかし、数年前からは「児童が校庭で安全に過ごせるように」と、地域住民がボランティアとして作業に参加。「シーズン中はほぼ毎日、児童の登校前に片付けてくれるのでとても助かる」と穗坂明範校長。さらに、銀杏は持ち帰って果肉を取り除き、乾燥させて届けてくれるという。
「せっかくなので、学校の恵みを来校者へもおすそわけしよう」。そのまま電子レンジで温めて食べられるように詰められた封筒には、「少しでもきれいな方がいいかな」と、米山由美子教頭がイチョウの学術名などを記して制作したラベルも貼られている。酒匂小土産として、来校者からの評判も上々だ。