小田原版 掲載号:2018年12月1日号
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インターナショナルフローラルアート2018-2019でゴールデンリーフを獲得した 河野 精一朗さん 栄町在住 48歳

いなせな花屋

 ○…生を受けたのは小田原きっての生花店・花政。趣味は車にバイク、音楽、サーフィン、ファッション、運動とキリがない。中学は野球、高校では洋楽にハマってバンドを組み、音楽の甲子園で準Vに輝いた。野球選手にベーシスト、レーサー…夢は幾らでもあった。でも、23歳で店に入った。

 ○…運命は、時として否応なしに人を動かす。店に入って数年、父・利光氏が倒れた。当主の嫡男は悩む余地もなく、セリに行った。右も左もわからぬ青二才は、買わねばならぬを買い損ね、あるいは他より高く買い付けて自信喪失。その時、市場の重鎮から「ビビってんじゃねぇ」の一言。何の因果か生まれた家には、花に付加価値を付けて売れるブランド力があった。人に救われ、道を歩き始め、コンテストに出て、かちを欲し、美しさを求め、33歳の時にとびきりの師に「花を教えて下さい」と懇願した。

 ○…この人には「頼れば応えてくれる兄貴」と慕う弟分がいる。「腕がどこまで通用するか挑戦し続ける姿を誇りに思う」と互いに「兄弟」と呼び合う幼馴染がいる。「精一朗が作るもんは綺麗だ。でも面白味がねぇ。どうせやるなら他を周回遅れにするほど飛び抜けろ」とズバッという同級生がいる。同じセンスを持つ建築士は「裏表のない人。あの人は歴とした芸術家」と断言。人柄に、作品に、生き様に魅せられてこの花の周りに人が集まる。

 ○…世界のフラワーデザイナーが欲する栄誉を手にした今、「デザイナーですか?」と問えば「俺は花屋です」と破顔一笑。万人が美しいと思う作品のために得た技術は、昔から花政を愛してくれる人、初めてでも店で買ってくれる人のためにこそ惜しみなく使う。神は細部に宿る。この人が束ねる一輪には、この人が挿す一本には、意味がある。

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