小田原版 掲載号:2019年1月1日号
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新春特別医療企画 地域の健康を支えるために 小田原医師会・渡邊清治会長に聞く

社会

 平成も残すところ4カ月となり、大きく時代が変化する2019年。超高齢社会のいま、地域医療はどのように変化していくのか。県西1市3町を統括する小田原医師会の渡邊清治会長に話を聞いた。

――2018年は医療界や小田原医師会にとってどのような年でしたか。

 まず大きな出来事としてはおだわら看護専門学校が開校25周年を迎えました。17年4月におだわら看護専門学校に改称し、定員を1学年80人に増員しました。そして現在1、2年生が80人ずつ、今年4月に新入生が80人入学すると全校で240人となります。数年国家試験合格率も100%を維持していますが、これは教員や講師などによるきめ細かい指導による部分も大きいと思います。卒業生の8割が1市3町(小田原市、箱根町、湯河原町、真鶴町)で勤務しており、県西地域の医療を支えています。

――関東地方では風疹の流行に警戒する声があがっていますが。

 昨年の夏以降、風疹患者が県内でも増加傾向にあります。風疹は妊娠初期の女性が感染するとおなかの赤ちゃんに先天性の病気を引き起こすおそれもあり、早めに免疫を持つことが大切です。

 国の対策として妊娠を希望する女性の家族や妊娠中の女性がいる家族など特定の人を対象に、無料の抗体検査の制度や、予防接種の助成を受けることができ、小田原でも同様の制度を利用できます。特に30〜50代の男性は未接種の割合が高く、注意が必要です。

――インフルエンザは例年1月下旬から2月にかけて感染がピークを迎えます。私たちにできる予防はありますか。

 寒くなると流行が拡大するインフルエンザですが、感染を防ぐにはまずはワクチン接種が大切です。これは、インフルエンザにかからないというものではなく、感染しても重症化させないワクチンです。そして、手洗いうがいは必須。体力の保持も重要です。規則正しい生活、運動、食事などを心がけることが感染予防につながります。

――団塊の世代が75歳以上となる2025年問題に向けての取り組みはいかがですか。

 今は在宅医療も増え、往診を取り入れる医療機関も増えましたが、この地域では早期から地域包括ケアシステムの構築に向け医師や看護師、介護士など多職種の連携に取り組んでいます。今後さらに高齢者が増えていくことを見据えて、200〜300人の関係者を集めて情報交換や勉強会を行っています。日頃から医療従事者が連携していることが地域医療の発展にもつながると感じているからです。

――たしかに市内でも高齢の方が増えたように感じます。

 この地域は独居の方が多いのが特徴です。こうした地域独自の課題にも今後向き合っていかなければなりません。ケアマネージャーなども不足しており、市民の健康を守るために連携してサポートする体制づくりが今年は大切になると思います。

――医師会では休日・夜間診療所も行っていますね。

 急患診療所は一次救急として40年以上開設しています。まずここで一次救急の治療を行っています。感染症予防の砦にもなるので、ニーズがある限り稼働させなければいけません。

――5人に1人ががんになると言われています。小田原市のがん検診の受診率は低いと聞きました。

 たしかに、小田原市のがん検診の受診率は低迷しています。国の目標値は50%と言われていますが、大腸や肺は20%台、乳がん、子宮頸がんに関しては15%以下と依然低い数値です。

――がん検診のやり方も時代と共に進化しているように感じます。

 胃がんに関してはバリウムやリスク検査が一般的です。しかし、バリウムも検査は放射線被ばく量が多く、身体に影響がないとは言い切れません。そこで、医師会では2020年春を目指して、内視鏡による胃がん検診を受けられるよう調整を進めています。患者の身体のリスクも少なく済むので、ぜひ受けてほしい検診です。

――がんだけでなく生活習慣病になる人も多いようですが。

 特に働き盛りの40〜50代が心配です。飲みすぎや食べすぎは注意が必要ですし、喫煙も生活習慣病のリスクを高めます。塩分摂取でいうと、小田原市食品衛生協会と協力して飲食店で減塩メニューを提供してもらえるよう協力を促しています。まだ若いなどと過信せずに自分の体に関心を持つことが必要です。そのためにも「かかりつけ医」は大切ですね。

――確かに、かかりつけの先生に健康の相談に乗ってもらえるので、自分の体をより大切にしたいと思えるようになりました。

 日頃から患者と医師がコミュニケーションを取れることで、健診を促したり、病気の早期発見にもつながります。また、医師会は強いネットワークを生かして患者の情報を共有しながらよりよい治療法を探す取組を行っています。

かかりつけ医を持とう

――自分に合ったかかりつけ医を見つけるには、どうしたらいいんでしょうか。

 病院は敷居の高いところではない。「怖い」や「どこに行ったらいいか分からないから」と放っておくことは危険です。そこで医師会が設けている地域医療連携室を利用してください。月曜から土曜の9時から17時まで、電話で相談を受け付けています。小田原市はもちろん、箱根町、湯河原町、真鶴町でもその人に合った病院や診療所を紹介します。また、昼1時半から2時半までは医師による電話相談も行っています。不調に応じた医療機関の紹介もできるので、安心してかかりつけ医を探すことができます。この地域は観光地でもあるので、最近はホテルや旅館から外国語が通じる医療機関についての問い合わせも増えています。

――医師会合唱団の設立が10周年を迎えました。

 08年の設立から10年となった節目の昨年、記念コンサートを行い多くの方に来場いただきました。海外公演や日本医師会での公演など、歌声のレベルもかなり上達しています。歌を歌うことで心も体も健やかになる。今年も引き続き精力的に活動していきたいと思います。

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