小田原選挙区で女性として初めての県議会議員 佐々木 奈保美さん 小田原市鴨宮在住 49歳
心にいつも、ラブ&ピース
○…小田原市議会議員を3期12年務め、4月の神奈川県議会議員選挙に初当選した。小田原選挙区では初めてとなる女性議員。「子どもと女性を取り巻く、さまざまな課題を着実に解決していきたい。社会の中で支える仕組みをつくっていきたい」。朗らかな笑顔の奥に、強い芯を感じさせる。
○…政治を志す原点は、幼い頃の家族にさかのぼる。両親共に脚が不自由だったため、差別や理不尽さと常に隣り合わせだった。特に、「人に迷惑をかける存在」と引け目を感じて暮らす母親に、「もっと自由に楽しく生きてほしい」と願った。「知識を身につければこの理不尽さは解決できるのでは」と、勉強や学級委員の活動にも熱心に取り組んだという。
○…努力すれば結果がついてくると思っていたが、子育ては違った。27歳で長女を出産し、育児本を読みながら完璧な母親を目指すものの、マニュアル通りにはならず。「真面目にやりすぎて、入院してしまった」。同じように苦しんでいるお母さんがたくさんいることを知り、友達同士で勉強会をひらくように。子どもの人権を学ぶ中で、「親がもっと生きやすい環境になれば、子どもたちをもっと大事にしていく社会になるのでは」と、政治の大切さを感じたという。
○…夫と2人で立ち上げた学習塾は、今年で22年。親や学校の先生とはまた違った視点から、子どもたちに寄り添ってきた。「ラブ&ピース」を胸に、「人の気持ち、思いやりが大事にされる社会を、次の世代に引き継いでいきたい」。県政へのチャレンジは始まったばかり。生まれ育った県西地域の活性化のためにも仕事は山積みだが、「温泉にぱっと入って、美味しい野菜とワインを少しだけ飲めれば幸せ」と、ささやかに人生を楽しめる達人でもある。
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