錦通り商店街のそば店「寿庵」に、小田原提灯をイメージしたベンチが藤沢工科高校の生徒から8月20日に寄贈された。
9年前にも同様のベンチを小田原城北工業高校が卒業課題の一環で制作。同店を含む市内の歴史的建造物を中心に、約10カ所に寄贈された。しかし、当時制作の指導をしていた大木英生教諭(44)は今年4月、同店のベンチが老朽化していることを人づてに知った。現在は藤沢工科で教鞭を執っているが、「せっかく長く使って頂いたベンチ。なんとか役に立ちたい」と現在の教え子たちと新たにベンチを制作することを決めたという。
有志で集まった6人の生徒と前回のデザインを踏襲しつつ、1920年に建てられたという寿庵に合わせて、電動工具や金具を極力使わずに作品を完成させた。
店主の大垣徹晃さんは「地域が離れているにも関わらず、制作してくれたことがうれしい。店頭の待合スペースなどで大切に使わせて頂きます」と喜びを語り、大木教諭は「生徒たちにとっても小田原の歴史や建築物を勉強するいい機会になった。今後もお店との関係を続け、メンテナンスにも通いたい」と話した。