真鶴町議会の議長に就任した 青木 健(たけし)さん 真鶴町岩在住 67歳
世のため人のため、町のため
○…町長を2期務め、3期目を目指した選挙で落選。捲土重来を期した4年後も涙を呑んだ。それでも町への思いは変わらず、2年前の町議選に挑みトップ当選を果たす。「町長までやった人が…」という声もあったというが「引退して、高みの見物とはいかない。町の現状を憂えている。自分に期待してくれる人の声を大事にしたい」と決意もあらた。
○…真鶴生まれ。地元中学から進学した三島市の高校では陸上部で汗を流した。「箱根駅伝を走りたい」と大学を受験し合格したが、父が入学金を払ってくれず夢はついえた。財政的な事情ではなく、地元のために働いて欲しいとの思いからだが「悔しくて1年くらい一緒に食事をしなかった」という。”不本意”に就職した町役場。しかし「世のため人のため」になる仕事は性に合っていた。町長、そして現在につながる人生の分岐点。「今となっては親に感謝しています」と目を細める。
○…父は漁業と石材業をなりわいとしており、若いころは石材の配送を手伝うこともあった。議員名簿の職業欄には「農業」の文字。畑でミカンを栽培し、夏は船で伊勢エビの刺し網漁を行う漁師にもなる。地域の産業に携わることで、住民から寄せられる相談にも「それぞれの立場の気持ちがよくわかる」という。
○…いわゆる「二元代表制」で、議会は首長の監視役といわれる。経済、防災、過疎対策--培った知識と経験で行政運営に鋭い目を光らせつつ、議員定数等の議会改革にも意欲を示す。「町民の手となり足となり声となる。当たり前のことだがなかなかできていない」と自身にも厳しい。現状を憂えるのは、未来への希望があってこそ。「町民であることに誇りを持てるようなまちづくりを進めていきたい」
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