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新春特別医療企画 たばこの害に立ち向かう 小田原医師会・渡邉清治会長に聞く

社会

公開:2020年1月1日

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 禁煙後進国と言われる日本――。間近に迫った東京オリンピック・パラリンピックでは多くの外国人の訪日が予想されるが、是非たばこの煙を気にすることなく日本の観光も楽しんでもらいたいものだ。風光明媚な小田原市や足柄下郡では、健康を守るプロフェッショナルである小田原医師会が「禁煙宣言」を発表。たばこの害から市民・町民を救うべく立ち上がった。県西1市3町を統括する同会の渡邉清治会長に話を聞いた。

――世界中で禁煙が叫ばれるなか、小田原医師会は昨年10月に「小田原医師会禁煙宣言」を行いました。まず、その理由をお教えください。

 会長就任前から、ずっと禁煙について何らかの活動をしたいと思っていたのですが、そんな折、松沢成文参議院議員とお会いする機会がありました。

 県知事時代、非喫煙者を守るべく受動喫煙禁止条例を制定したお話に感銘を受け、地域の医療者向けに講演を依頼したのです。これを機に、医師会もたばこから住民の健康を守る意思を表明すべく、禁煙宣言を発表しました。今後は喫煙被害を防止する社会環境の実現に向け、住民向けの講演会や講座も検討していく予定です。

――小田原市でも、自治体として禁煙活動を推進する動きがあります。

 そうですね。でも、外国人観光客も多い市街地で、路上や店頭に喫煙スペースが設けられていることは残念です。海外では日本よりもたばこの害に対する意識が高く、公共の場所における禁煙や分煙もずっと進んでいます。外国人に、こうした日本の姿はどのように映るでしょうか。今年は東京オリンピック・パラリンピックで多くの外国人の訪日が見込まれます。行政には分煙や禁煙、喫煙所に関する条例など、早急に取り組んでいただきたいと思います。

――宣言の内容について、受動喫煙による害を受けない環境づくりを強調されています。

 自分は吸っていないのに、家族など近しい人が吸っていることで、高齢になってからCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気を発症することがあります。こんな理不尽なことはありませんね……。妊娠中はもちろん、妊娠適齢期の女性に与える影響も大きく、将来を担う子どもに影響を与えかねません。

 また、我が子がそばにいるにも関わらず喫煙する親も見受けられます。煙が漂う中で遊び、煙が漂う中で食事をする子ども……。不憫でなりません。ドラッグと同じように、たばこが体に与える害についても学校でしっかり教えてあげてほしいものです。

――喫煙者も健康のために禁煙すべきですね。

 たばこは健康にとって害しかありません。なんとなく吸っている人には、続けることで将来的に起こるリスクをきちんと理解してほしいです。値上げによりたばこをやめたという人もいるように、国や行政ができることはたくさんあるはずです。国民の健康を守るために、率先して動いてほしいと思います。

――団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」まであと5年。医療や介護に対する需要が、ピークに達することが想定されています。

 早い段階から対策を講じておくことが重要と考えており、この地域で活動している医療や介護の従事者たちと年に数回集まって情報交換をするなど普段から連携を深めています。また、医師会や薬剤師会は、在宅医療に関する研究会も開いています。

――人生100年時代と言われます。この長寿社会で、健やかに年を重ねるために心掛けるべきことをお教えください。

 医療業界では、高齢化の要因は「肺の病気」「骨折」「認知症」と言われます。このなかで、呼吸機能や心肺機能の低下に大きく影響するのが喫煙です。これらが低下すれば、高齢者の具合が急に悪くなる肺炎にかかるリスクが高まります。

 さらに、転倒などによる骨折も気を付けなければなりません。動けずに筋力が低下すれば、寝たきりや認知症を引き起こす要因ともなります。高齢になってからの骨折は、寿命が5年縮むと言われているほどです。

――健康増進の秘訣として、医師である先生方が日頃取り組まれていらっしゃることをお教えください。

 栄養バランスの良い食事、体を動かすこと、適度なお酒――。常日頃から患者さんにお話していることです。自分でもやろうという気持ちはありますが、果たしてどれだけできているでしょうね……。いずれにしても、何事も「しすぎないこと」が大切です。

 個人的には、体重には気を使っています。腹八分ではなく腹七分、夜中は食べないことを心がけています。年齢とともに筋力は落ちてくるので、筋トレも続けています。唯一の趣味であるゴルフでパワーを発揮したいですからね。

――どうもありがとうございました。

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