小田原囃子多古保存会が設立60周年を迎え1月19日、小田原市内で記念式典を開いた。江戸時代に始まったとされる「小田原囃子」の伝統は、今なお地域住民の手で受け継がれている。
小田原囃子の源流は祭囃子の一種「江戸西囃子」とされ、江戸時代中期、当時小田原の寺町にあった歌舞伎小屋「桐座」で演奏された西囃子を地元の青年衆が習い伝えたのが始まりだという。多古ではその頃から、地元の白山神社や道祖神の祭礼でお囃子を奉納。以降、県西部に広がっていった小田原囃子の起こりともいわれる。
この伝統を受け継ぐべく多古保存会は1960年に設立。69年に県無形民俗文化財指定、77年には「かながわ民俗芸能50選」に選定されている。地元での演奏のほか、テレビ出演や全国の伝統芸能大会の出演も多く、関東祭囃子コンクールでは優勝(72年)に輝いた。現在、保存会には小学1年生から80代まで約30人が所属。3世代で参加しているメンバーもいる。
記念式典では、少年部のメンバーが『屋台』『昇殿』『神田丸』『鎌倉』『仕丁目』の5曲を演奏して来場者を出迎え、加藤憲一小田原市長ほかの来賓、近隣の伝統芸能団体の関係者らが節目を祝った。多古保存会の磯崎照久会長(53)はあいさつに立ち、「小学1年生だった私は創立メンバーの祖父に連れられ小学1年生からお囃子を始めました。こうして60周年の思いが語られるのも、歴代会長や先人の地道な努力と、支えて続けてくれる地域の皆さまのおかげ」と感謝を述べた。
「お城まつり(現北條五代祭り)のパレードで、沿道から大勢の人に見られる中での演奏は楽しかった」と懐かしむ磯崎会長。「就職などで市外に出た人が里帰りしてお囃子を聴いて、『懐かしい、ふるさとのリズム』と言ってくれる。この伝統をこれからも大切に残していきたいですね」と笑顔で語った。
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