3月26日付で小田原警察署の第103代署長に着任した 寺澤 陽公(ようこう)さん 小田原市内在住 58歳

掲載号:2020年4月4日号

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我以外、皆我が師なり

 ○…「小田原署は、明治時代から続く歴史のある警察署。署長として身の引き締まる思い」と凛とした表情を見せる。川崎市の多摩警察署に続き、これが2度目の署長職。今回の異動には、ある特別な思いを抱いていた。「初めて赴任したのが小田原署。風光明媚なこの地で19歳からの2年間、警察官のいろはを学んだ。今回の異動を聞いたとき、何か運命的なものを感じた」と微笑む。

 ○…警察官を目指したのは、高校時代に目にしたニュースがきっかけ。犯人を追った末、刺されても手を離さずに殉職した警察官がいたことを知り、「命がけでやる仕事」として憧れを抱いた。県警に採用後、度々配属された機動隊には通算約10年所属。52歳のときには機動隊長も務めた。出身地である長野県での冬季五輪では、現地に派遣され警備に尽力。「職務に大きな誇りを感じた」と話す。

 ○…中学卒業後にのめり込んでいたのはギター。高校時代にはアリスやかぐや姫のコピーバンドを始めたほか、演劇にも夢中に。演劇部では3年生で主演に抜擢され、文化祭で熱演した。「幕が下り、拍手に包まれると大きな達成感がこみ上げた。部員たちと抱き合って喜んだのを今も鮮明に覚えている」と懐かしむ。こうした経験から、人が成長する上で肝要なのは「目標を明確化し、試行錯誤しながら行動して、課題を達成すること」と学んだという。

 ○…「署員にも、この成長のサイクルを大切にしてもらいたい」と願う。また、感銘を受けた作家・吉川英治の言葉「我以外(われいがい)皆我師(みなわがし)」を胸に、これからも一層人との出会いや縁を大切にしていくつもりだ。「署員一丸となって市民の安全をしっかりと守りたい」。優しい語り口の中にも熱意が宿る。

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