小田原市の加藤憲一市長、箱根町の山口昇士町長らが4月23日、小田原市役所で合同会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ゴールデンウィーク(GW)期間中に小田原、箱根への観光を自粛するよう呼びかけた。
加藤市長は「苦渋の決断だが、いまは観光を止めてでも、1日も早く収束させることが大切」、山口町長も「自粛の呼びかけは身を切るような思いだが、感染防止を最優先にした」と話した。
感染拡大を受け、小田原では3月30日から小田原城を閉館している。国内外から年間60万人以上が訪れ、特に桜が見ごろの時期には多くの来城が見込まれていたため、小田原市観光協会の石田武会長は会見で「たくさんの人に寂しい思いをさせているが、収束後にゆっくりと観光を楽しんで」と呼びかけた。
また、国内屈指の観光地・箱根では、例年GWのピーク時には1日あたり3万人が宿泊、9万人が日帰りで訪れるが、今年は宿泊施設の休業が相次いでいる。4月22日現在、GW中に臨時休業するホテル・旅館は、全200施設中約64%にあたる127施設に上るという。箱根町観光協会の勝俣伸理事長は「観光を生業とする我々が自粛をお願いをするのは断腸の思い」とし、小田原箱根商工会議所の鈴木悌介会頭は「収束したらお客様を全身全霊で迎えたい」と言葉に力を込めた。