信号がない多差路の螢田駅前の交差点。事故が減らず、住民から安全対策が求められている中、小田原市は9年ぶりに対策を施すこととなった。路面標示などを設置し、事故防止につなげようというものだが、あくまでドライバーや歩行者のマナーに頼る面が多く、今後に課題が残る対策となりそうだ。
同交差点は、小田原駅から開成町方面へ向かう主要の県道720号が走り、螢田駅前の踏切と市道2線が重なる交差点。螢田駅の乗降客数は1日平均約6千人とやや少ないが、駅前利用客や買い物客などで歩行者の往来が多い。年間1〜2件の人身事故が発生しており、一部道路が東富水小学校と泉中学校の通学路になっていることから、住民からは児童・生徒の安全を不安視する声も上がっていた。
新たに実施される対策は、県道に「横断者注意」などの路面標示や看板、自然光式交差点鋲を設置。このほか市道にも注意喚起の看板やグリーンベルトなどを設置し、交差点手前でドライバーに減速を促し、事故防止に努めようというもの。市と県は7月中旬から整備を始め、8月末までに完了させる予定だ。
今回の対策は、あくまで一人ひとりのドライバーや歩行者のマナーに委ねるもの。蛍田中央自治会の川岸嘉啓会長(53)は「対策により運転者だけでなく歩行者にも注意を促すことができ、地元としては良かった」としながら、蓮正寺住宅自治会の吉葉茂樹会長(72)は「本当に事故を減らすには市道を一方通行にするなどの案もあるが、生活道路であることから、住民の利便性が損なわれる恐れもある」と心境も複雑だ。
道路改良も見据え県にも要望
2011年にも事故を減らそうと、道路のカラー化など対策を行った。その後も事故は無くならず、地元自治会や教育関係者、市、警察と対策を協議してきた。市は「将来的には歩道の整備など抜本対策を見据えた検討も県に要望している」と話した。
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