小田原バリアフリーマップづくりに取り組む作業療法士 初鹿 真樹さん 小田原市中町在住 43歳
心の段差なくしたい
○…「やっと地域へ届けることができた」とほっとした顔。バリアフリー情報を共有するアプリ「WheeLog(ウィーログ)」と連携し、車いす利用者の生の声を反映した小田原駅周辺マップの第3弾を8月に発行した。過去最多の65カ所を掲載することができ、自信の出来栄えだった。「コロナ禍で『出かけよう』というメッセージは葛藤があった。でも、一人でも役に立てればいい」と発行を決意。手に取った人からの「待ってた」の声に苦労が吹き飛んだという。
○…きっかけは3年前。外出に臆病になりがちな車いす利用者に寄り添いたいと、仲間と車いすに乗り小田原駅周辺を巡った。戸惑いながらも受け入れてくれる店の多さに「お互いを知るきっかけを作りたい」とマップ作りを始めた。回数を重ねるごとに参加者も増え、つながりも生まれた。「マップを作る過程こそ、心の段差をなくすこと。今後も続けたい」
○…東京生まれ。大学卒業後は出版社に入社し、全国を飛び回っていたが、腰の古傷が痛み緊急入院。半年で退職を余儀なくされた。ベッドから起き上がれない生活を体験し、作業療法士に興味を持った。専門学校に入り直し、資格を取得。病院に勤務するも「患者の生活を支えたい」と、訪問リハビリを行う会社に転職した。仲間にも恵まれ、5年前に県西リハビリテーション協議会に入会。専門職の視点でまちづくりに尽力する。
○…結婚を機に8年前に小田原市に転居。「海の近くの生活が夢だった」と釣りやウツボの飼育を満喫する。アフリカの民族楽器「ジャンベ」を嗜み、ステージに立つことも。妻や7歳と4歳の息子たちと一緒に地域活動を楽しむ毎日。「応援してくれる妻には本当に頭が上がらない」と感謝の思いを語った。
|
|
|
|
|
|