1956年まで小田原市内を走っていた路面電車の車両を長崎市から「里帰り」させるプロジェクト。この事業資金への協力呼びかけに、1カ月余りで946万2千円が寄せられた。プロジェクトの主体「小田原ゆかりの路面電車保存会」の小室刀時朗(としろう)会長にインタビューした。
-クラウドファンディングは当初設定していた500万円を超え、別枠の寄付も合わせて多くの支援が寄せられました
「小田原だけでなく全国の多くの皆様からご協力をいただき心より感謝申し上げます」
-今年4月に保存会を設立し、すぐに新型コロナが拡大しました
「車両を所有している長崎電気軌道から『車両譲渡が可能』との連絡があり、急きょ保存会を立ち上げました。その時は、車両輸送費の約700万円を含む事業資金や車両設置場所など手探りでした。プロジェクトはまさにコロナ禍と時期が重なっており、クラウドファンディングも内心では集まらないのではと不安でした。それでも、決して希望を捨てることはありませんでした」
-車両設置場所が、まちづくり会社「報徳仕法(株)」が市内南町に準備を進める交流拠点施設の敷地内に決まりました
「施設の目的は、観光回遊・消費促進と3世代が交流する暮らしの拠点と聞いており、私たちのプロジェクトと一致しています。かつて路面電車が走っていた国道1号線にも面しており最適な場所だと考えています」
-車両の活用方法は
「まだ検討中ですが、車両に路面電車の写真やパネルを設置したり、小田原市内を走っていた当時を知る年配の方から話を聞いたり、歴史を伝えることもしたいですね」
-移設後は、車両の維持・管理の資金や人員確保が必要ですね
「海に近いので、車両に塩害や紫外線に強い塗装を施します。清掃は保存会メンバーが中心に行う予定ですが、ボランティアの呼びかけなども考えています」
-今後の抱負を
「クラウドファンディングや寄付では温かいメッセージもいただき、みなさんの期待と責任を感じています。施設は来年2月開業予定ですが車両は12月中の設置を計画しています。楽しみにしてください」
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