「木のクラフトコンペ」で大賞を受賞した 稲葉 芳和さん (有)すぎ勤務 39歳
閃く瞬間に魅せられて
○…木工職人が技術と創造力を競う「木のクラフトコンペ」4度目の挑戦で初の大賞に輝いた。創り出したのは「オジサンの楊枝入れ」。なめらかなボディライン、象嵌(ぞうがん)を駆使した水玉模様…「マイナスイメージを持たれがちなおじさんを、とにかく可愛く。そのギャップが面白いと思って」。対極なテーマを、手仕事を一つひとつ重ねることで、誰をも笑顔にできるという手応えをつかみ「今でも夢のようです」と照れくさそうに頭をかく。
○…伊豆で生まれ、幼少期は「なんとなくものづくりが好き」な少年だった。職人を志すようになったのは、宇宙誕生の起源とされる「ビッグバン」に魅せられてから。何もないところからアイデアが弾け、作品が生まれる…ものづくりと「瓜二つ」だという感動を絶えず追い求めてきた。紆余曲折を経て、小田原の木工所に腰を据えたのは10年程前。「好きで選んだ道だから」と不撓不屈の精神で技術とセンスを磨き続けた。今では商品のデザイン・製造までトータルで任されることも増え「木の温もりって他の素材にはない魅力。どんどんその優しさに引き込まれています」と目尻をさげる。
○…仕事柄、同じ体勢で何時間も作業することが多く、仕事帰りの温泉と休日のジョギングで心身を労わる。よく晴れた日には大島まで一望できる職場の屋上も、癒しスポットの一つだ。創作活動に行き詰まる時も、たくさんの情報から琴線に触れる一筋と出会う瞬間を待つのだという。「生きていた木に命を吹き込み、再び形を変えていくのが木工。一本ずつの微妙なニュアンスを生かす、オリジナルの作品を創り続けたい」。幾度となく皮がむけ、硬くなった指先をそっとひと撫でした。
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