4月初旬、湯河原駅前観光案内所で町内の地図を広げ、観光客に案内する2人の職員の姿があった。目的地までの時間を訪ねる女性に「10分くらいで行けますよ」と道順を示しながら案内した。女性は「ありがとう」と笑顔を見せ、目的地に向かった。
女性に応対したのは、昨年4月、任期付き湯河原町職員として採用されたタイ国籍のブンプラコープ・ラッティさん(31)とチャオプリーチャー・マナッチャヤーさん(25)だ。「町内の観光スポットなど70%位は頭に入っています」と2人の表情は自信に満ちていた。
語学力を生かし、外国人観光客対応に期待されたがこの1年は新型コロナの影響で発揮できなかった。2人は、湯河原町の文化や歴史を学び、町内の旅館やホテル、飲食店などを回り場所や経路、それに掛かる時間などを記録し頭に叩き込んだという。今では、観光客の要望に応じた時間内の散策コースの案内もスムーズにできるようになった。
昨年末、外国人向けに町内の飲食店や観光地を英語で紹介するフェイスブックを立ち上げた。「町の魅力が伝わるように写真や文面もこだわって作成した」と2人。「もっと勉強し、外国人が来ても大丈夫なように準備しておく」とラッティさん、「今後はイベントなどに参加し、伝えられるようにしたい」とマナッチャヤーさん。
小清水英仁所長は「コロナ禍の中、努力してきた。今は、2人にカウンター業務を任せても安心できる。今後が楽しみ」と、さらなる成長に期待を寄せた。