男女共同参画週間(6月23日〜29日)に合わせ、タウンニュース社では神奈川県内33市町村議会にアンケート調査を実施した。各議会の女性議員の割合、出産・育児に関する制度、旧姓使用の可否などを聞いた。調査は4月19日から5月13日に行い全市町村の議会事務局から回答があった。
最高は大磯町50%
調査の結果、県内市町村議会における女性議員(性別は議会事務局への届け出による)は議員定数771人中180人、女性議員比率は23・3%だった。
総務省の「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調」の最新調査(2021年)によると、全国の市区町村議会の女性議員の割合は15・4%で、単純比較はできないものの県内市町村議会の値は、全国より7・9ポイント高くなっている。
県内自治体の議会で女性議員比率が最も高かったのは大磯町で50・0%。以下高い順に、海老名市36・4%、葉山町・二宮町・山北町35・7%、逗子市35・3%、鎌倉市34・6%と続く。
最も低いのが横須賀市と真鶴町の10・0%だ。小田原市は22・2%、箱根町は21・4%、湯河原町は14・3%で県内平均を下回っている。ほかに横浜市、藤沢市、平塚市、中井町、開成町などが10%台だった。
大磯町議会では、2003年の選挙で初めて女性議員が50%になり(定数18中9人)、以降女性議員割合が50%以上となっている。
議長も直近10人のうち5人が女性だ。昨年7月から議長を務める竹内恵美子氏(5期)は、「議会では、男性、女性ということを特に気にせず自由闊達(かったつ)に発言できる雰囲気がある。女性議員が多くいる状況が長く、選挙でも女性が挑戦しやすいのでは」と話している。
「育休は欠席事由」多数
県内すべての市町村議会が、「出産」による議会の欠席を認めている。労基法で定める「産休制度」による休暇ではなく、議会を欠席する事由として認めている扱いだ。育児期間についても「欠席事由として認めている」との答えが多数を占めた。
「旧姓使用可」10議会に
婚姻等で戸籍上の苗字が変わった場合の、議会での「旧姓使用」について「可」は10議会、「不可」は6議会だった。
小田原市は明文化して使用を認め、箱根町は規則等は無いが使用可。湯河原町は「明記した規定がなく、過去に使用した事例も判断したこともない」、真鶴町は「明文化された規定がないため、議会又は議長の判断による」と回答した。
子ども連れ傍聴可も
子どもを連れての議会傍聴への環境整備については、横浜市や平塚市などが個室の傍聴室を設置している。
箱根町では15年に行った規則見直しで、それまで必要としていた議長の許可がなくても児童・乳幼児が傍聴席に入れるようにした。それに合わせて、議場の近くに絵本やぬいぐるみ等を置いたキッズコーナーとベビールーム(授乳室)を設置している。
小田原市は特別な個室は設けていないが、ネット経由のライブ中継で自宅等でも傍聴できる。湯河原、真鶴町もネット配信を行っている。
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