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寛永地震の痕跡見つかる 小田原城址で地割れ

文化

公開:2024年9月28日

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御用米曲輪で見つかった地震の地割れ=9月20日撮影
御用米曲輪で見つかった地震の地割れ=9月20日撮影

 小田原城の御用米曲輪(ごようまいくるわ)で行われている発掘調査で複数本の地割れの痕跡が確認された。市文化財課によると江戸時代前期に起きた寛永小田原地震によるものだという。

 発見された地割れは東西にわたり少なくとも12本確認され、最長で約14m、幅は約7cmにわたる。同課は出土遺物や上下の土層関係から、寛永小田原地震の痕跡と断定した。

 寛永小田原地震は寛永10(1633)年の旧暦1月21日に相模・伊豆地方で起きた大地震(推定マグニチュード7・1)。小田原城下は壊滅的な被害を受けた。復興に際し、武家屋敷地の整備や板橋への複数の寺院移転などが行われており、戦国時代の町割りから現在の小田原につながる町割りに変更されるきっかけとなった。

 市担当者は「小田原の画期となった地震の痕跡が目の前に出てきたことは重要な発見」と話した。地割れが残った要因について、地震発生後に3代目将軍徳川家光の上洛が控えており復興が急務であったため、整地せずに埋め立てたのではないかと推測した。

 市は今後、下層にある戦国時代の発掘調査を継続する。地割れについては調査した後に報告書としてまとめ、市民と情報を共有したいとした。

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