20周年を迎えた神奈川県立生命の星・地球博物館友の会の会長を務める 鈴木 智明さん 国府津在住 51歳
空想と謎解き名人
○…生命の星・地球博物館を支えるボランティア組織「友の会」。県職員として開館準備に携わり、入会も自然な流れだった。3代目として会長のバトンを引き継ぎいたのは8年前。20周年という節目を迎えたが「会長だからといって、特別なことはない」と物言いは控えめだ。約450人の会員が植物や昆虫などそれぞれ興味関心のあるグループに分かれ、公開講座などを開催している同会で、20年間変わらないのは「会員それぞれが博物館を活用し、やりたいことができる場所=友の会」という存在意義。会員の高齢化とマンネリ化という課題が見えるなか「会のあり方を見つめ直す時」と静かに話す。
○…「ある物事の仕組みや理屈を一つひとつ解いていくのが好き」な論理派。大学卒業後は県に入庁し、厚生課、情報システム課などを渡り歩き、情報処理やシステム支援の業務に携わってきた。部署によって畑違いの職務内容もあるが、心がけているのは「知らないことを知ること」。全体を把握し、自分のすべきことに注力していく。県内の商店街を巡るツアーの企画を担当し、庁舎を出たときは各地の商店を訪ね歩いた。「いい加減なことはできないですから」。仕事も会長職も姿勢は一貫している。週末も会の活動でたびたび予定が埋まってしまうこともあり、これには博物館で知り合ったという奥さんもさすがにちょっぴり呆れ顔なんだとか。
○…「僕は地層より”上”派」。そう言って指差すのは、空。『宇宙戦艦ヤマト』など当時流行のアニメを観ては、空想世界に思いを馳せた。伊勢原で過ごした少年時代の夢は宇宙飛行士。「でもきつい訓練の様子を映画で観て、すぐ断念しましたけどね」と苦笑いで付け加える。だが今でも、浜辺から水平線と果てしない空を見上げるのが、束の間の休息時間。「何もないところから想像する楽しみがある」と紡ぐとき、眼鏡の奥がキラッと輝いた。
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