全日本リアルファイティング武道空手道選手権で優勝した益田 亮さん小田原市富水出身 32歳

掲載号:2018年10月20日号

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強さの本質に到達した男

 ○…打撃から投げまで技の制約が少ない「格闘空手」。かつて受けた攻撃で顎が砕け、くっきり残る手術痕がその激しさを物語る。働きながら競技を続け、週2日は栢山の道場で指導にあたる日々。「全日本を制し、後進の目標になれたら」。意を決してエントリーした国内外の猛者が集う大会で、初出場初優勝を遂げた。「一番変わったのは僕を見る息子の目ですね」。格闘家のイメージとかけ離れ、物腰は驚くほど柔らかい。

 ○…専門学校に進学後、体を鍛えようと自宅に近い道場のキックボクシングクラスに入会。「ある程度はできんだろ」。高校時代にボクシングジムへ通い、競技歴1年で神奈川県大会3位に入賞。「自分は強い」と自信があったが、道場の先輩とのスパーリングではまるで歯が立たなかった。これで芽生えた強烈な反骨心。「一人ずつ順番に倒す」と熱心に練習に励み、23歳でキックボクサーとしてプロデビュー。それでも飽き足らず、5年後に転向した格闘空手でもプロに上り詰めた。「強い男」をガムシャラに目指してたどり着いた境地は、「真の強さとは優しさのこと」。

 ○…3人の子ども達と別に、アスリート食を準備してくれる妻・敦美さんには頭が上がらない。「水炊きとか、鶏のささ身とか。僕のメニューは子どもには質素すぎますから…。格闘空手を続けられるのは、妻があってこそ」。常に感謝の気持ちをもち、試合当日もゴミ出し当番は忘れない。

 ○…30歳を過ぎ、摂生に努める体も悲鳴をあげ始めた。仕事との両立も厳しく、選手としての最後は近いと感じる。両親が試合を観に来たのは、後にも先にもデビュー戦のみ。「我が子が殴られる姿は見たくないでしょうからね。『まだやっているのか』と言われますよ」。だが、けじめとして引退試合は行うつもりでいる。

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