神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

商工会議所会頭インタビュー・上 新年にあたり、小田原箱根商工会議所の鈴木悌介会頭に話を聞いた 中小企業が頑張れる時代

経済

公開:2019年1月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
鈴木悌介会頭
鈴木悌介会頭

――まず、地域の経済についてお聞かせください

 「商工会議所という地域の経済団体という視点で見ると、明るい話題がいくつかあります。大都市ではない『地域』のポテンシャルに光が当たる兆しが見えてきたと感じています」

――どういう点ですか

 「ここ数年、まちなかに小さくて美味しくておしゃれなお店が増えています。結構繁盛しています。経営者に『なぜ小田原に出店したか』と聞きました。都内で流行のお店を経営していた人、ソムリエとして勉強してきた若者、ミシュランのお店で修業して帰ってきたシェフ。彼らが異口同音に言ったのは、『東京では世界中の食材が手に入り、逆に特色が出しにくい』と。小田原はお魚もいて、田んぼも畑もあり牛も豚もいるなかで、地元の食材で「自分の店ならではの料理が作れる」という訳です。それは何ものにも代え難いと言っていました。スペインのサンセバスチャンの様な世界中から美食家が来る街になる可能性が、この地域にはあるような気がします」

――それは楽しみですね

 「もうひとつ特徴的なところでは、彼らの発想に『規模』や『資本力』は関係ない。高度経済成長期以降はそういうものが絶対的に優位であった時代もありましたが、もはやそれは崩れています。むしろ小さいということがメリット。私はよく『ならでは』という言葉を使いますが、まさに『自分の店ならでは』を表現しやすい。今までの強みと弱みが逆転する、ルールチェンジが起こり出しているのかもしれません。それは中小企業が頑張れる時代でもあります。作り手の顔が見えて特色がある。そういうお店がたくさんあるまちは魅力的だと思います」

――そのほかの地元商店についてはいかがですか

 「シンボル的な話をすると、朝ごはんのパンをどこで買いますか?ということです。買い物をして、『そのお金がどこへいくのか』ということを考える教育を、我々は受けていません。安いとか品ぞろえが良いとか、営業時間が長いとか、そういうことでお店やモノを選んできました。コンビニエンスストアで買うか、地元で夫婦がやっているお店で買うか。もちろんどちらがいいか悪いかという話ではありません。10回のうち2回は地元のお店で買うとか、そういう意識づけを日本人はしてきませんでした。その結果、シャッター通りになってしまうと、『地元商店がだらしない』とか『行政が何とかしないからだ』という声もあがりますが、そういう状況を作った一端は誰なのかと。地元の消費者として私たちも考えなければいけません。その意識を変えないと、本当の意味での商店街の活性化はできません。もちろん、地元のお店だからなんでも買いましょうということではなく、頑張って美味しいものを、良いものを適正な価格で提供する努力をしてもらうのは当然です。ただ、選ぶ基準のひとつに『地域にお金を回す』という物差しがあっても良いと思うのです。実際に、そういう考えで地元のお店を選ぶという消費の兆しも出てきていると思います」       〈続く〉

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のローカルニュース最新6

地元の川を一斉清掃

地元の川を一斉清掃

「クリーンもりと」71人参加

4月13日

観桜地までの道を美化

観桜地までの道を美化

強羅・宮城野エリア

4月13日

尾崎一雄をめぐる

尾崎一雄をめぐる

4月21日 文学散歩、講演会

4月13日

若者の活躍を応援

小田原市

若者の活躍を応援

アイデアを募集

4月13日

ミナカ小田原が寄付

ミナカ小田原が寄付

能登半島地震の義援金

4月13日

運動の楽しさを知って

小田原サッカー協会

運動の楽しさを知って

酒匂川河川敷で体験会

4月13日

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月13日0:00更新

  • 4月6日0:00更新

  • 3月30日0:00更新

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook