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商工会議所会頭インタビュー・下 新年にあたり、小田原箱根商工会議所の鈴木悌介会頭に話を聞いた 時代が変わる節目に

経済

公開:2019年1月12日

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鈴木悌介会頭
鈴木悌介会頭

――地域とエネルギーについてお聞かせください

 「地域のエネルギーの話題として北海道下川町の事例を紹介します。東京23区ほどの面積がありますが人口減少が進み住民は約3千人。そこが国連のSDGs(持続可能な開発目標)のモデル都市に選ばれています。町では面積の9割を占める森を徹底的に活用しています。伐採した木は建材に、建材にならない部分は炭を焼いて売っています。一番の肝は、数カ所にボイラーを設置し木端のチップを燃料にして24時間お湯を沸かし、地下管を通して地域に循環させる取り組みです」

――お湯を使うのですか

 「湯そのものではなく、熱を病院や老人施設、学校で利用しています。それまでは年間12億円ほど町の外からエネルギーを買っていましたが、自分たちの森でその一部を賄うことで、億単位で町から流出するお金が減ったそうです。その分のお金でインフラ整備を進め、住みやすい環境になり、林業という働く場所もでき人口減少が止まりました。最先端の技術を上手に使えば、地元にいろいろなエネルギー源が実はある。エネルギーを地域で循環することができれば、豊かな場所になる可能性が十分あります」

――今年はラグビーワールドカップがあります 

 「昨年秋にラグビーのオーストラリア代表・ワラビーズが小田原に来ました。世界中のワラビーズファン、ラグビーファンに向けてワールドカップの事前キャンプ地である『ODAWARA』を発信しない手はありません。スポーツ団体など多くの人が集まって情報交換しながら、情報発信を1本化する体制を作らなければなりません。今年は本番です。ラグビーにタグ付けをして小田原を世界にPRする取り組みを、行政の担当部署にもぜひ展開していただきたいです」

――いよいよ平成が終わります

 「バブルがはじけてからの平成の30年間。それがどういう時代だったかはもう少し時間が経たないと評価できないと思います。しかし時代が変わる節目にいるな、という気はします。高度経済成長期以降は、商売でいえば品数や店舗を増やせば売上が伸びる。自然からいろんなものを掘り出して使い放題。そういうライフスタイルに乗ってビジネスモデルを作ってきましたが、気候変動が現実のものになった今、それはもう限界だと思います」

――商議所の役割はどう変わるのでしょうか

 「今まで以上に、役割は大きくなると思います。これまでは個別の企業が頑張れば地域経済は回っていました。景気が良い時は、商工会議所はある意味『サロン』で良かった。個々の企業が頑張れる環境を作れば良かった。でもそういう時代ではありません。SDGsのような今までのルールではない、違うゲームが始まると思います。そのなかで、より地域を考える、より力を合わせる、より知恵を合わせるということが求められる時代になると思います。これからは、個々の企業の力や知恵を束ねていくことが商工会議所に求められてくると思います」     (了)

会頭インタビュー 下

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