若年性認知症に対して小田原、箱根、湯河原、真鶴の1市3町の行政と医療機関などがタッグを組み、市民や企業の人への周知や啓発、当事者と家族の悩みを共有する場を作る動きが進んでいる。
若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のこと。原因となる症患はアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などがある。国内では2000人に1人が発症し、発症時の平均年齢は51歳といわれている。
働き盛りで社会的な役割が大きい世代の人の発症は、経済面や親としての役割を果たせなくなることなど家族をはじめ、周囲に及ぼす影響が大きい。また、補助に至るケースが未だ少ないことも影響し、家族にかかる負担が大きいことも懸念されている。
こうした現状に、支援を強化しようと県西地区でも1市3町の行政、地域の精神科医、若年性認知症コーディネーター、市立病院、保健福祉事務所がタッグを組み、「小田原・箱根・湯河原・真鶴の一市三町若年性認知症を考える会」を昨年9月に発足した。
2カ月に一度、メンバーが集まり、会合を重ねる中で意見交換や現状報告などを行い、若年性認知症の早期診断、早期対応ができる組織作りを進めている。今年1月下旬に合同庁舎で行われた会では、3月に行うイベントの詳細や、今後、若年性認知症に対してどのように周知していくのか、どのように支援していくのかという部分も話し合われた。
「一番困っているのは、当事者の方とそのご家族」と話すのは、曽我病院(曽我岸)若年性認知症支援コーディネーターの田中香枝さんと、ひまわりメンタルクリニックの小林博子院長。当事者を介護する家族の不安や負担は想像以上に大きく、相談をすることさえも勇気がいるのだという。
3月に初開催
同会では、3月16日(土)に市内の特別養護老人ホームジョイヴィレッジ1階(酒匂956―1)で「フレンドシップカフェ」を初開催する。参加無料、午前10時から正午。
最大のテーマは、「当事者と家族が気軽に参加できて、相談しやすい」ところにある。全員で楽器の演奏を聴いたり、交流会を行うことで支援者と当事者とその家族がともに楽しみ、悩みを共有し、安心して過ごせる空間を提供したいという思いが込められている。
主催者は「初の試みとなるが気軽に相談してもらい、その先の関係に繋がりを持ち、必要があれば別の場所で対応していきたい」と話す。
問い合わせは曽我病院の田中さん【電話】0465・42・1630へ。
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