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生きた人間学伝える 板橋で続く”寺子屋”が開講

教育

公開:2015年10月17日

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小学1年生から高校生までが参加した
小学1年生から高校生までが参加した

 次世代を担う若者たちに、自分の天分に気付き、社会に出た際に何が大切かを伝えたい。そんな思いから、昔ながらの「寺子屋」を開き、大人たちが奮闘している。

 「小田原寺子屋スクール」を主宰するのは、小田原出身でJR東海の副社長まで務めた石塚正孝さん。石塚さんは「中学生・高校生の時期は、自分の人生をどうするかを考える時。寺子屋では人が生きていくうえで最も大切な考え方や心構えを教えたい。受験勉強やクラブ活動などで忙しいと思うが月に1回なので参加して欲しい」と開講の意義と中高生たちの参加を呼び掛ける。

 「寺子屋」は2009年に任意団体として発足。今年2月にはNPO法人格を取得した。現在は石塚さんと一緒に13人の大人たちが毎月、子どもたちのために準備をしている。

 「授業」は板橋の本應寺で月1回、第2日曜日。約2時間で受講料は無料だ。

小田原の先輩や政治家、五輪金メダリストも

 講師は元朝日新聞「天声人語」コラムニストの栗田亘さんと石塚さんの広い人脈を活かし、毎回幅広い分野の著名人が交代で務める。

 過去には小田原出身でヤマトホールディングス(株)相談役の瀬戸薫さんや新しくスポーツ庁長官に就任した鈴木大地さんも講師を務めている。「実社会の実践を生きた人たちの経験の言葉は生きた人間学。学校で教えるのは難しい」と人選について石塚さんは話す。

 1年を前・後期に分け、10月11日には、今期の後期最初の授業が行われた。講師は栗田さんと元報知新聞社長の伏見勝さんで、この日は小学1年生から高校生まで子ども14人と保護者を含む大人30人が聴講した。

 伏見さんは、最近起きた事件や警視庁記者クラブ当時の話を交えながら取材者の悩みや報道の目的などについて紹介。低学年の児童もいる中での講義に「難しかった」と苦笑いをうかべた伏見さんだが、第1回目の講師の大役を終え「新聞記事の書き方や報道の目的などが伝われば」と話し、子どもたちには「人の気持ちを慮り、ルールに則った生き方を」とエールを送った。

 平塚から小学1年生の弟と一緒に参加した4年生の青木一爽君は前年から参加。「難しかった」とポツリ。サッカーの練習の方が楽しくなってきているが、今後も「理解できるようになりたい」と参加に前向きだ。

 横浜・都筑区の小川護君(星槎高校1年)は、中学1年生の頃から通い続けている。当初は両親と一緒だったが、今回は単身で参加する。「普段聞けない色々な職業の裏側が聞けて楽しい。月1回なのでこれからも参加したい」とすっかり夢中になっている。

 「自分の子どもの頃に寺子屋があったら自分の選択肢も増えたはず」と話す石塚さん。「生きる心構えをしっかりしないとこれから生きていけない。寺子屋を通じて子どもたちに『今、何をすべきか』を感じてもらえれば。その気づきを考える環境を与えていくのが私たちの使命」と強い決意を語った。

 なお次回は11月8日(日)。午前10時から正午。講師は栗田氏と小田原出身で元東洋経済新報社会長の高橋宏さん。寺子屋に関する問合せは事務局(本應寺内)【電話】0465・22・1413。

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