第1回「神奈川チェンソーアート競技大会」にゲストで訪れた 清水 国明さん 山梨県富士河口湖町在住 61歳
「ウェルカム感」が必要
○…「チェンソーアートは木の中に埋もれていたものを発掘するような感じ。粘土を足して仕上げていくのと逆のイメージです」。気さくで、身近な雰囲気。テレビの中の印象そのままの氏がそこにいた。「リズムに乗るとチェンソーは軽くなる。常に体の正面に持っていき、機械の重さも利用しながらカーブや曲線を刻んでいきます」。90年代初めにログハウス造りに夢中に。作業の合間にチェンソーを使い動物などを制作したことが、日本の草分けとして、チェンソーカービングを始めるきっかけになった。
○…福井県生まれ。京都産業大学卒。73年に伝説のフォークソング・デュオ「あのねのね」で芸能界デビュー。芸能界きっての自然環境派でスローライフ実践者としても知られている。04年にNPO法人河口湖自然楽校を設立。昨年、もっともレクリエーショナルなイメージを持つ著名人1位を受賞した。東日本大震災の復興支援にも力を入れる。
○…「河口湖から足柄上まで100キロぐらいかな。近いですね」。丹沢湖がある山北町や南足柄市にはよく来ており、当地には馴染みがあるという。「漁業にはレジャーの釣りがある。農業には家庭菜園が。林業にも一般が参加できる”遊び”が必要」が持論だ。父親が林業だったこともあり、森林への想いは一際深い。自らがチェンソーでよく作るのはクマやフクロウ。作品は大半がもらわれていくという。「北海道の居酒屋さんで僕が作ったクマに偶然出会った時は驚いたね」。自然感を大切にしたい、と彫った木には塗料をつけない。
○…林業や地域振興には「ウェルカム感が必要」と熱く語る。「例えば地元でログハウスを数軒建てる。それを見て、自分も住んでみたいと問合せがくる。きっかけはまず地元から…」と話す。60歳を契機にシニアライフを応援するクラブを創立。4月からは山梨学院大学の客員教授に就任するなど、その活動は年輪とともにますます広がっている。