屋内にいながら野鳥観察 中川温泉の旅館が全国に先駆けた試み
野鳥の宝庫として知られる丹沢湖やその周辺地域。丹沢湖上流の中川温泉には四季を通じて多くの野鳥が飛来する。同温泉で旅館・蒼の山荘を経営する倉形興斉さんは3年ほど前から、自然の生態系が残る敷地内に巣箱や餌台を取り付けたところ、一年を通して50種類以上の野鳥が訪れ、宿泊客からの評判も良く手ごたえを感じていた。
さらに、発展的に野鳥を観察することが出来ないだろうかと考え、シジュウカラが毎年営巣する巣箱に、角度を変えた2台のカメラを取り付け、室内のモニターで見ることを思いついた。自然保護活動の観点から、野鳥が巣箱に入る前の今年1月から設置をはじめ、ビデオデッキやアンプなども自ら取り付けた。
3月に入り、巣箱に入ってきたのはシジュウカラではなく、ヤマガラだった。カメラで動きをキャッチするとビデオに記録する方法をとり、24時間体制で待機。少しずつ巣が作られていく様子がはっきりと観察された。日にちや時間の記録が残り再生できるので、営巣の様子がテレビを見るようにわかる。
倉形さんは「お客さんの評判がいいですね。モニターをじっと眺めていらっしゃる方もいます。都会の近くでありながら豊かな自然が残る地域。町が自然を生かしたまちづくりを目指すなかで、ビジネスモデルにもなるのではないか」と期待する。また、「子どもたちの学習にもなり喜んでもらえるのでは」と話す。温泉旅館でこのような試みは全国でも珍しいという。
4月に入り、待望の卵が産まれた。倉形さんは「孵化は4月の中旬ぐらい、巣立ちはゴールデンウィーク前後辺りではないか」と予測し、心待ちにしている。
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催しいっぱいセンター祭り4月20日 |
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