あしがら防火安全協会の新会長 永井 康博さん 南足柄市在住 45歳
2度の震災から 思い新たに
○…足柄上地域で257社が加盟する「あしがら防火安全協会」の新会長。就任後に感じた「会員の防災に対する意識の高さ」に応えるため、現在は従来の活動に学びながら今後の方針を模索している。会の活動としては、地震や噴火をテーマにした防災講演会、消火技術競技大会等のほか、震災の際に優れた対応をみせたディズニーランドへの防災に関する視察を予定している。「予期せぬ災害時にキャストが自ら考えて行動したことが素晴らしい。各々の企業に属する私たちにとっても参考になる部分は多い」と期待を寄せる。
○…兵庫県芦屋市の出身。大学を卒業後、アサヒビール(株)に入社した。「当時は発売したばかりのスーパードライが大ヒットしていた頃。そこから24年、お酒にもずいぶん強くなりました」と照れ笑いを浮かべる。会社では西宮工場や福島工場、東京本店などで物流や生産、総務などの部門に携わり、今年4月に神奈川工場への異動をきっかけに南足柄市へ移り住んだ。「都内に比べて空気も水も良い。外に洗濯物が干せることも嬉しい」と新天地での感動話に笑顔を浮かべた。
○…阪神淡路大震災の際は福島工場にいた。「3日後に現地入りすると、実家は全壊。見慣れた町並みが一瞬で失われたことに衝撃を受けました」と振り返る。東日本大震災も丸の内の出向先で体験し、当時の住まいまで4時間かけて歩いて帰った。2つの震災の経験から「いざという時のために備えておくことの大切さ」を痛感、防災についての思いを新たにした。現在、会社でも防災計画を見直している所だ。「この辺りはいつ地震が来てもおかしくないと言われている地域。災害時には地域の企業としてやれることをやっていきたい」と真摯な思いを語った。
○…最近スクーターを購入し、近隣の散策を楽しむ。「祭などにも関わるようになったので、もっとこの地域を知りたい」。地域防災に心強い仲間が加わった。