南足柄市 漁網の受入れを表明 岩手県洋野町から最大200トン
南足柄市は10日、県が受入れを要請されている岩手県洋野町の漁網を最大200トン受け入れる方針を同市議会全員協議会に報告した。市では地元住民の理解を得た上で最終的な判断をしたいとしている。県内で漁網の受入れを表明したのは箱根町に続いて2例目。
市役所3階特別会議室で開かれた記者会見で加藤修平市長は「当市も被災地となる可能性がある。困った時はお互い様、という気持ちで被災地の漁網の広域処理に協力し、被災地の復旧復興を支援したい。しかし、受入れは安全性の担保が大前提」と考えを示した。
洋野町は青森県との県境に位置し、福島第一原発からは320Km離れている(南足柄市は290Km)。漁網の放射能濃度は1kgあたりの検出限界である20ベクレル未満で、国が示している埋立基準の「1kgあたり8000ベクレル」を大きく下回っている。
市では受入れ先として検討している同市最終処分場がある雨坪自治会との二者協議会を3月14日から計7回にわたり開催し、受入れに向けた協議を重ねた。また、雨坪自治会の組長が出席した役員会での説明も行い「二者協議会あるいは役員会では安全性を理解していただき、漁網を受け入れる方向性の確認はできたと理解している」と話した。記者会見後、市では5月12日に雨坪自治会住民への説明会を行っており、5月中をめどに近隣自治会への説明も予定している。
受入れの時期については、洋野町が降雪等の理由から10月頃までの搬出を希望していることを踏まえ、国からの事業費に係る補正予算案を6月定例会に提出することを目指している。
同処分場の埋め立て容量は約4万立方メートルで、2013年3月末現在の残容量は約70パーセント。200トンの漁網は残容量の2パーセント(約半年分)に相当する。
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