向原連合自治会 「異変をいかに判断するか」 防災訓練で箒沢豪雨の体験紹介も
土砂災害をテーマにした防災訓練が9月1日、山北町向原連合自治会(高杉光男会長)の本村地区で実施された。
広域避難場になっている山北高校の体育館には午前10時過ぎから、第1避難所での訓練を経た同地区6自治会の参加者311人が集まり、山北高校生徒や職員、町職員なども加わり約400人が参加した。開会を告げる式典の後、県西土木事務所により「土砂災害の恐ろしさ」と題したスライド説明が実際の被害状況を撮影したビデオを盛り込みながら行われ、「土砂災害から身を守ろう」と注意が呼びかけられた。
続いて1972年(昭和47年)7月に降り続いた記録的な集中豪雨で甚大な被害に遭った同町中川の箒沢地区の住民の体験談が語られた。当時、40歳代だった佐藤早苗さん(向原在住)と佐藤昌司さん(三保在住)により、土砂災害の被害の恐ろしさが伝えられた。昌司さんは「最初に沢に見に行くと水がなかった。上流の崩落で堰き止められていたからだったが、その時にはわからなかった。後に土石流で覆われるとは想像も付かなかった。異変を感じたときに判断するのは難しい。体験しないとわからないことも多い。しかし決断をし、いち早く避難をして身の確保をするために最善の努力をしてほしい。同じ地区に住んでいても立地などにより温度差はあるが、日頃から話し合っていくことが大切」と述べた。山北高校の碓井のどかさん(3年)により、当時の三保中学生が書いた文集(災害記録誌)「美しい三保への試練」の朗読も行われた。会場ではグループに分かれての止血等応急救護訓練や搬送訓練、非常食の試食もあった。
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