虫沢焼酎芋の会の会長を務める 金子 静男さん 松田町寄在住 75歳
受け入れ、いつしか夢中に
○…松田町寄で特産の芋焼酎づくりに取り組む「虫沢焼酎芋の会」の代表。活動を休止した団体から畑ごと事業を引き継ぎ、5月に活動2年目を迎えた。「メンバーのほとんどは兼業農家。みんな色々な仕事をしているからアイデアがどんどん出てくる。良い案があれば採用して、地域色のある焼酎を作っていきたい」と、やる気をみなぎらせる。
○…中井町の農家に生まれたが、5人の兄姉がいたため農作業を手伝った記憶はほとんどない。「野球の練習を理由に、いつも逃げていた」と笑い飛ばす。ゴム・タイヤメーカーに就職し品質保障部門などを担当したが、50歳の時に転機が訪れた。美容師の奥さんが独立開業。目の回るような忙しさに追われる姿を見かね、退職して仕入れや経理業務などを引き受けることにした。
○…美容室の経営も落ち着いたある時、ふと「食べる野菜ぐらいは自分で作りたい」と思い立った。ノウハウを得るため、自治体が定年退職者を対象に開いていた農業講習会に通いながら、実際に畑を借りて実践した。「失敗を重ねながら覚えた」という知識と経験は、現在も家庭菜園や芋の会の活動に生かされている。寄には60歳の時に転入。団体の代表まで務める山野草の趣味が高じ、寄の自然に魅かれた。「四季の美しさなどを語って説得した」という奥さんも、15年経った今は、この土地を離れたがらなくなっているという。
○…頼まれると最終的には引き受けてしまう寛容な性格。これまでPTAや自治会、美化活動など様々な団体で代表を務めてきた。人と違うのは、そこからいつの間にか夢中になって活動に取り組んでいるところだ。「寄の土は芋づくりに適しているので、絶対においしい焼酎になる。女性にも好まれるように名称やラベルのデザインなどを変えながら、虫沢地域らしい焼酎にしていきたい」-。夢中になれるものが、また一つできている。
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