おはなしボランティア「おはなしぽけっと」で代表を務める 佐野 幸子さん 南足柄市岩原在住 67歳
仲間と歩み続ける
○…南足柄市で読み聞かせなどの活動をしている「おはなしぽけっと」の代表。長年の活動が評価されて、姉妹グループ「劇団ぽぽ」とともに「子どもの読書活動優秀実践団体」として文部科学大臣表彰を受賞した。「表彰されると聞いてびっくり。活動を始めてから20数年、時には衝突することもありましたが、それを乗り越え、家族のような関係になった5人のメンバーと、ずっと続けてきたことが評価されて嬉しい」。
○…「昔から読書は好きだったので、友人から誘われ、本に関われることなら、と参加を決めました」。市立図書館が主催したおはなしボランティア養成講座で一緒に学んだ仲間と1992年にグループを発足。図書館や学校、地域の文化祭などで、素ばなしや絵本、紙芝居、人形劇などを披露している。黒いパネルに様々なパーツを貼り、ストーリーを展開する「ブラックパネルシアター」はグループの特徴の一つで、作品数は15作以上ある。
○…福島県出身。大学卒業後に小学校教諭として小田原市の学校に赴任。結婚を機に南足柄市へ移り住んだ。現在は夫と息子、愛犬と暮らす。週に一度ほど遊びに来る3人の外孫たちとのひと時が最近の楽しみ。「孫たちと一緒にキャンプや旅行に行くのが本当に楽しくて。物語の世界など、親とは違う目線でいろいろな世界を見せてあげたい」。
○…週に1度の練習の時にはメンバー同士で話すスピードや発音などを厳しく指摘しあうこともある。「お互いを信頼しているので言い合える。うちのメンバーは練習よりも子どもたちが見ている本番のほうがいつも以上のパフォーマンスができるんです」。今後の目標を尋ねると、「親子で楽しめる手遊びなども取り入れていきたい。おはなし会をきっかけに、多くの人に読書の楽しさを知ってもらい、図書館に来てもらうことが私たちの役割」ときっぱり。優しい口調の中に芯の強さを感じた。