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陳情審査 議会の対応分かれる 2つの事例から考える

政治

掲載号:2014年6月14日号

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陳情が採択され喜ぶ会のメンバー =松田町議会議場
陳情が採択され喜ぶ会のメンバー =松田町議会議場

 手話言語法の制定を求める意見書を国に提出するよう求める「足柄上郡ろうあ福祉協会」による1市5町への陳情提出では、陳情者となった「ろう者」への対応が議会によって分かれた=本記表面。

町ぐるみで支援

 6日の本会議で陳情を採択した松田町議会(菅谷一夫議長)では、陳情を受理した後の流れや審議日程、手話通訳者の派遣についての要望などを議会事務局が事前に聴き取るなど、議会基本条例の制定を目指して積み上げる「開かれた議会」への取り組みと「陳情者がろう者であること」を念頭に置いた準備を進めた。

 本会議では手話通訳者2人の席を議長席の横に設け、陳情以外の議案審議の傍聴にも対応。議場近くに控室を設け、健康福祉課の職員2人が案内役をつとめた、正副議長と議会運営委員会の委員長が手話通訳者と事前に面会し、議場を案内する徹底ぶりだった。

 本会議では、早口で答弁する幹部職員に菅谷議長が「もう少しゆっくりと」と促す場面もあるなど、町ぐるみで「ろう者」の議会傍聴を支援した。

 菅谷議長は「今回の陳情で新しい経験ができた。あらゆる人が共生できる社会を築くために今後も議会としてできることに全力で取り組む」と述べた。

傍聴を拒否

 5日の本会議で採択した山北町議会(池谷荘次郎議長)では、付託審査した6月4日の福祉教育常任委員会を非公開とした。陳情者には5月27日付で「委員会は傍聴不可」とするファックスを送信したが理由は記載されていなかった。

 「傍聴不可」を決めた瀬戸顯弘委員長は本紙の取材に「知識が乏しい中での議論は見せられないと思った」とし、池谷議長も「陳情者がいることで圧力がかかり自由に意見が言えなくなる可能性もある。委員長の決定は妥当だった」と述べた。

 山北町議会の常任委員会は各地の議会と同様に委員長の許可で傍聴できる原則公開で運営され、参考人を呼んでの質疑も可能、案件によっては議決を経て秘密会にもできる。

 こうした中での委員長の非公開の決定は、会議公開の原則を定める地方自治法第115条への抵触も懸念される。委員の一人は「(不許可だったことは)知らなかった。意見が言いにくいこともあるが入れても良かったと思う」とこぼした。

「初めて傍聴」

 5日の山北町議会と6日の松田町議会では、いずれも本会議の議場に初めて手話通訳者が入った。

 採決を傍聴席から見守った須藤秀貴さん(49)=山北町=は「町の議員さんを初めて見ることができて良かった。議員さんに手話を見て頂けて嬉しい」と話し、南足柄市に住む小松千代樹さん(72)は「生まれて初めて議会を傍聴した。本当に嬉しい」と興奮気味に話していた。

情報提供の保障

 1市5町に提出された陳情は全日本ろうあ連盟が示す『手話言語法を制定することの意見書』に基づき提出された。

 そこには「司法、立法、行政、医療、教育等のあらゆる分野で、手話によるコミュニケーションと情報提供が保障される環境の実現」が標榜されている。

 今回の陳情は、国への意見書提出以外にも、地域の行政や議会に「ろう者」のみならず、あらゆる人を想定した”情報提供の保障”について再考を促す副産物をもたらしたといえそうだ。

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