新東名高速道路の建設で陣頭指揮に立つ 水橋 浩一さん NEXCO中日本 秦野工事事務所 所長 53歳
国家プロジェクトに挑む
○…自宅から電車を乗り継いで2時間、ぶどう畑と落花生畑に囲まれた2階建ての事務所で新東名建設の国家プロジェクトの陣頭指揮に立つ。任された工事事務所は東名・秦野中井インターから程近くにあり社員31人、協力社員70人が勤務する。担う工区は秦野〜松田〜山北を結ぶ23・9Kmで、2020年度の完成を目指す。「このプロジェクトに携われる幸せを職員全員に伝えています」と、士気は常に高い。
○…秦野では「三ノ塔からの眺望」、松田では「松田山ハーブガーデン」、そして山北町では「洒水の滝」と「三保地区」を好きな場所にあげる。「これからの高速道路は交通機能プラスαが必要。『安全性』を最優先に道路を造り、目的地にもなる秦野サービスエリアは、地元のニーズにしっかりと耳を傾けて計画していきたい。山北のスマートインターも、地域の発展に活かしてほしいと思います」。1年前、赴任してすぐに着手したのが地域を知ること。遠方からの客には地域のPRを欠かさない。
○…「飛騨の小京都」岐阜県高山市の出身。子どもの頃から「いつも人の輪の中心にいたいタイプ」だった。「将来は妻と高山へ戻って農家を継ぐ」と、故郷で暮らす両親を気遣いつつ「晴耕雨読に憧れる」とも。旧・日本道路公団に入り、愛媛、大阪、長野、埼玉などを経て東京支社に勤務。四国縦貫道や上信越道の建設、名神高速道路の拡張に携わり、2012年に開通した新東名の御殿場〜三ヶ日間では開通までの総仕上げの段階を担当し『地域連携』の重要性を肌で感じた。
○…中学時代に熱中した人気漫画『サーキットの狼』で名車のロータス・ヨーロッパに憧れ、採用面接では「自分の車で高速道路を走りたい」と夢を語った。35年が経ち「東名とのダブルネットワーク」を標榜する新東名建設と巡り合った。
「ここにいられることが幸せ。地域に親しまれる新東名を、安全に、創る」