60代の夫婦がボランティアに汗を流す─。2人は「40年以上暮らした南足柄に恩返しがしたい」と、8月18日から9月2日までに南足柄市内の公衆トイレ7カ所で計19基の洗面台と鏡などを磨いた。
作業したのは大雄山駅前、富士フイルム前駅前、和田河原駅前、飯沢、竹松、大口広場の公衆トイレ。洗面台1基に約2時間をかけて汚れを落とし、ガラスコーティングを施した。
今月中旬に、夕日の滝と地蔵堂、矢倉沢でも同様の作業にあたりボランティアを終えることにしている。
2人の足跡
2人は武野数馬さん(64)・みどりさん(63)夫妻。1969年に夫の数馬さんが島根から上京。富士フイルム足柄研究所に就職するため市内の独身寮に入った。みどりさんと結婚して和田河原に住み、80年に岩原にマイホームを建て2人の子どもを育てた。
島根に暮らす母が認知症、兄の妻が肺がんを患い、59歳で早期退職して兄夫婦の家業を手伝った。その間、藤沢に暮らす長女夫婦が岩原の留守宅に住んだが、ほどなく母が他界。義姉の病状が回復したため2010年に岩原へ戻った。その後、娘夫婦に自宅を譲り2人は相模大野に転居した。
富士フイルム時代に培った表面処理やコーティングの技術を活かし、13年夏に水回りを研磨する個人事業を立ち上げた数馬さんは「腕を活かして恩返ししたい」と地元市議を通じて市にボランティアを申し出た。
「友達が多く今でも週に1度はこちらへ来ている。リタイヤしても何かやりがいを見つければ毎日が楽しい」と数馬さん。みどりさんと二人三脚で、黙々と洗面台に向かう。
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