相模人形芝居 足柄座の座長を務める 玉野 美津子さん 南足柄市弘西寺在住 70歳
伝統の継承「楽しく」
○…国指定重要無形民俗文化財、県指定無形民俗文化財に指定されている相模人形芝居を継承する県内の5つの座の一つ、「相模人形芝居足柄座」(座員=29人)の座長を務める。5座が出演し、南足柄市で9年ぶりに開催される2月14日の大会に向け「相模人形芝居独特の所作や仕草などを崩さずに演じることを心掛けています。本番では座員と力を合わせて頑張りたい」と練習に熱が入る。
○…市内班目で伝承されていた「班目人形芝居」を復興させようと、1965年に始まった婦人会の活動を前身に、77年に「相模人形芝居足柄座」が発足。現在は年に1度の大会のほか、市の文化祭や学校、自治会行事などで上演している。自身が足柄座に参加したのは45歳の頃。「当初はただ『人形がかわいい』という程度で人形芝居についてほとんどわからなかった。やってみると奥が深く、すっかりはまりました」
○…横浜市生まれ。大手電機メーカーの代理店で経理担当として勤務し、同僚だった夫と結婚。夫の実家がある南足柄に移り住んだ。新舞踊をやっていたこともあり、足柄ささら踊の保存会に入会。踊りの先輩や仲間の多くが人形芝居の活動をしていたことも現在に繋がっているという。「一つのことに取り組むと長く続ける性格」で、大正琴13年、ステンドグラス20年、和太鼓20年と多趣味。自宅裏の菜園での野菜作りも楽しみの一つ。「いやなことがあっても好きなことに没頭していると気分転換ができる」
○…人形の修繕から衣装作りまで、できる範囲のことは座員で行っている。着物の切れ端などを市民から募集し、衣装を作ったこともあった。準備から練習、公演まで1つのことをみんなでやり遂げたという思いがあり、座員の団結はとても強い。「苦労もあるが、良い仲間と活動できている楽しさのおかげであまり感じない。これからも楽しみながら人形芝居の伝統を継承していきたい」