足柄牛の生産者と食肉加工・販売業者が協力し、足柄牛のブランド力向上に取り組んでいる。この事業がこのほど、中小企業庁から農商工等連携促進法に基づく連携事業として認定された。
熟成させた肉のうま味から近年、人気を呼んでいる「ドライエイジング肉」(乾燥熟成肉)の加工に合う肉質にするために飼育方法を工夫し、足柄牛のブランド価値を高めることを目指す。通常は25カ月程度で出荷する牛を、熟成肉に適した肉質にするために28カ月かけて肥育する。
足柄牛を扱う食肉卸業の(株)門屋食肉商事(二宮慶晃社長)と足柄牛生産者推進協議会の会長を務めるまかべ畜産(真壁秀男代表)が共同で進めている。肉牛に関する事業が認定されるのは県内で初めて。認定を受けることで5年間の計画で商品開発や販路拡大、PR等にかかる費用の一部に国からの補助を受ける予定。
足柄牛は和牛と乳用種の交雑種で、小田原市、秦野市、大井町、山北町、中井町の10軒の畜産業者が飼育している。餌に足柄茶を与えるのが特徴で、足柄地域では各地のイベントやご当地メニューなどに広く使われている。
二宮社長は「販路を県西地域に限定し『ここに来なければ食べられない』という付加価値をつけることで、観光客誘致などにもつなげたい」と話し、真壁代表も「ブランドイメージが高まれば、出荷額の低下を抑えられ、生産者保護に繋がるはず」と期待を寄せる。
中小企業庁では2008年に制定された「農商工等連携促進法」に基づき、新たな市場の開拓や経営向上、地域の雇用・就業機会の拡大などを目的とした取り組みにこれまでに全国で654件を認定している。
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