足柄版 掲載号:2015年3月14日号 エリアトップへ

開成町戦没者遺族会の会長を務める 古屋宰(おさむ)さん 開成町吉田島在住 90歳

掲載号:2015年3月14日号

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生きて、伝える

 ○…自身の体験談や戦没者の追悼式を通じて、戦争の悲惨さや平和の大切さを訴える。終戦から70年。戦没者を知る人も減り、150人いた会員も半減した。「小中学校などに積極的に足を運び、今の時代の礎となった人たちのことを語り継ぎたい」。亡くなった人に恥じないように生きたい―そんな思いが、胸にある。

 ○…元軍人の父を持ち、自身も中学卒業後に陸軍士官学校の門を叩いた。陸軍航空隊に入隊し、満州で特攻隊に編入されると「国のために戦うんだ、良い死に場所になる」と思い定めた。ところが戦闘機で集結地点へ向かう途中に、エンジントラブルで機体が墜落。「体だけでも」と船と汽車で移動中に終戦を迎えた。ソ連軍の捕虜となり、シベリアへ。極寒の地で森林伐採などの重労働を強いられる抑留生活は3年に及んだ。「隊の中で一番若かったので、へこたれるわけにはいかなかった」。過酷な環境に病人や死者も出るなか、年配者の分まで人一倍働いた。

 ○…帰国後、復員を喜ぶ家族の中に2歳下の弟の姿がなかった。「海軍に入った弟は任務中に台湾沖で死んだと聞いた。父が遺族会に入った理由です」。復員後は電力会社に入社し「抑留期間のブランクを埋めたい」と働きながら法政大学の経済学部で学んだ。経理部門で定年まで勤め、退職後は地元で自治会長や老人会長などを歴任。「色々と任され、気づいたら70年経っていた」と鷹揚に微笑む。遺族会には父と入れ替わりで入会。08年から会長を務め、長年の活動に県や町から表彰も受けている。

 ○…6歳下の奥さんとの間に2子に恵まれ、現在は孫5人とひ孫2人に囲まれる。明快な受け答えや自ら歩く壮健ぶりは今年卒寿を迎えたとは思えない。健康の秘訣は運動。ゲートボールチームの監督を務め、20年にわたり後進を指導。ほぼ毎日散歩にも出かける。「たまたま長生きさせてもらったから、何ごとも体が動く限り続けていきたい」
 

戦後70年 語り継ぐ戦争の記憶

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