▽南足柄市役所への取材が続いた。大雄山駅前の商業施設からピアゴ(ユニー)が撤退する件と財政運営の取材だった。いずれも市の中枢を担う企画や管理部門で話を聞いたが、情報をつまびらかにしようとする姿勢や実際の情報の開示に不満が残った。市政運営における透明性の確保は「ガラス張り」などと称され、今や揺るがない指針のひとつだ。市はこの要素をどう認識し、マネジメントにあたっているのか。取材を通じてそんな感想を持った。
▽「ピアゴ撤退」の取材は、「市が議会に説明した」との情報を得て所管する部署を訪ねた。撤退するユニーと、ビル管理会社への事実確認は済ませ、管理会社の筆頭株主である市にも事実関係と見解を求める必要があった。その際、取材に応じた市側は「非常に残念な結果になった」と見解を述べたが、それ以上の感想やこの先の展望について言及しなかった。20年間も市民生活に貢献してきた企業に対し、市として感謝の言葉ひとつ出せても良かった。
▽第3セクターが管理運営する駅前ビルテナントの進出や撤退は市民の関心事でもある。その動向に変化があれば市は積極的に状況を説明するべきだ。議会に報告したとはいえ、非公開の議会全員協議会で議事録はなく、議員も口止めされた状況では市民が知るすべはない。「ユニーがプレス発表しないなか市が積極的に話せない」とする幹部の見解も分かるが、責任ある立場の幹部がもう一歩踏み出して対応できれば、行政にもより活気が出るのではないだろうか。
▽今週号で掲載した財政運営の話題では市有地売却を取材した。基本情報ともいえる市有地の一覧と利活用の検討結果を求めたが「公表できない」の一点張りだった。利活用の方針が固まっているのであれば積極的に情報開示することで広く市民の協力が得られ、売却が進むと思うがどうか。
▽南足柄市では、大型直売交流センターの用地確定や市立むつみ幼稚園の認定こども園化など、大きな政策案件が目白押しだ。いずれも目的や方針があり、予算措置も含め議会が大筋で了承している事業だが、情報が不足していて市民の支持はまだまだ得られていない。どんな事業であれ丁寧に説明し、開かれた市政運営を実践してもらいたい。
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